AKIディド様、
たいへん興味深い情報をありがとうございました。 昨年の3月に「ミトコンドリアDNAを調べると何がわかるか(その3)」に以下のような研究と添付の系統図を紹介をしたことを憶えておられるでしょうか?
【アメリカのParkerという研究者が2004年に細胞核の付属DNAについてオオカミと85種(414頭)の犬を比較しております。 それによると、オオカミに最も遺伝的に近いのはバセンジーで、次いでアラスカのシベリアン・ハスキーとアラスカン・マラミュート、少し離れてサルーキー、アフガン・ハウンドの中東の犬でした。一方、アジアではチャイニーズ・シャーペイが最もオオカミに近く、次いでシバ、さらに離れてアキタ、チャウチャウでした。 日本犬は意外にも古い犬種なのですね。それに比べて、オオカミに似ているジャーマン・シェパードも、小さいダックスフントも、ラブラドール・レトリバーも、パピヨンも、残り76犬種はすべて過去200年くらいの間に人の用途に応じて交配、改良された新犬種で、遺伝的にはごく近い仲間です。これまで古代犬といわれてきたファラオハウンド(エジプトの壁画にあるアヌビスに似ている)やイサビンハウンドも実は新犬種だそうです。】
このときの研究では添付の系統図のようにバセンジーやシベリアン・ハスキーなどのヨーロッパの犬とチャイニーズ・シャーペイやアキタなどのアジアの犬の起源が同じか違うのか、また、バセンジーとチャイニーズ・シャーペイはどちらが古い犬種であるのか、については判っておりませんでした。 それが今度の研究では前の研究の2倍以上の数の犬を調べ、ヨーロッパとアジアの犬種の起源が違うこと、バセンジーがもっとも古い犬種であることが明らかにされたわけですね。驚きました!
バセンジーがもっともオオカミに近いのでは、もっとも獰猛であるはずですが、どうしてこのように人にフレンドリーなのでしょうか? この違いはいつ、どこで遺伝子に変異したのでしょうか? ますますバセンジーという犬種の不思議さに魅せられます。
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