このコラムはコンピュータゲームに登場する日本軍及び自衛隊を紹介するものでした。私はこの時海上自衛隊の護衛艦「こんごう」について書かせていただきました。(97/11/26)

チップの中の日本軍

DDG-173 こんごう

基準排水量:7200t 全長:161m 幅:21m
兵装:Mk41 VLS、RGM-84ハープーン他

アメリカ海軍のDDG-51 Arleigh Burke級をタイプシップとした海上自衛隊最大の戦闘艦。イージスシステムを搭載し、艦隊防空を主な任務とします。旗艦機能を持たせるため上部構造を1階層増やした他、砲やレーダー等の搭載機器やマストの形状がArleigh Burke級とは異なります。1993年に1番艦の「こんごう」が就役し、現在4番艦の「ちょうかい」が1998年3月の就役に向けて建造中です。  現代海戦ゲームの決定版として名高いHarpoon IIにも「こんごう」は登場します。ただHarpoon IIが発表された当時「こんごう」級は2番艦以降がまだ建造中で艦名が判らなかったためでしょうか、シナリオ中には「ゆきかぜ」(*1)という名前の護衛艦が「こんごう」級として登場します。ゲーム中ではちょっと大きめのArleigh Burke級といった扱いで(上記旗艦機能の追加のため「こんごう」の方が少し重い)センサーや砲の種類が違うことを除けば大した違いはありません。海上自衛隊では創設以来の対潜水艦作戦重視の観点からMk41 VLSにVL ASROC(RUM-129A)も搭載していますが、Harpoon IIにはこの兵器は登場せず、「こんごう」級は純粋な対空ミサイル艦としてRIM-66Cスタンダード対空ミサイルを90発積んでいます。一度に数十発の対空ミサイルを発射し、個別の目標を同時に攻撃できると喧伝されるイージスシステムですがHarpoonIIはその再現がうまくできておらず、「こんごう」級は10発余りの対艦ミサイル攻撃を受けただけであっけなく沈んでしまいます。(*2)Harpoon IIを世に出したThree-Sixtyもそれを引き継いだIntracorpも既に倒産してしまいましたが、世界中にはすごい人がいるものでこのバグ(?)を直してイージスシステムがメーカーの宣伝通りの実力を発揮できるようなHarpoon IIの改造データが既に作成されてインターネット上で入手可能です。(改造データでもVL ASROCは搭載されてません)何ヶ所かに転載されているようですが最新版は以下のホームページから入手できます。

Home Page for Saul H.Jacobs
 Harpoon II Pages (http://www.dakotacom.net/~sjacobs)

*1 海上自衛隊は「こんごう」級までは防空ミサイル護衛艦に「〜かぜ」で終わる名前を付けてきましたからこれはこれで鋭い推測なんですが、1番艦が「こんごう」である以上帝国海軍の巡洋戦艦金剛級の名前を受け継いで2番艦が「きりしま」となるのは判りきっていたことと考えるのは日本人ならではの後知恵でしょうか。(^^; (金剛級4隻のうち榛名と比叡は「はるな」級ヘリコプター搭載護衛艦として使用中)
*2 これはアメリカ海軍のTiconderoga級など他のイージスシステム搭載艦でも同じような結果になります。

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