濃縮コーヒー(4倍濃さ)を抽出する手順

サイフォンで4倍濃さの濃縮コーヒーをつくる手順です。

以下に説明する手順に従えば、6人分のコーヒー粉を使って4倍濃さの濃縮コーヒー200mlを作ることができます。これを4倍にうすめれば、普通のコーヒー6人分になります。ここでは1人分のコーヒー粉は10g、コーヒー液は130mlとしています。

【用意する道具】

     サイフォン一式 ( ヘラも必要 )

    計量カップ

     ヤカン


準備

深煎りのコーヒー豆60gを用意し、細挽きにします。



ロートはロート立てに立てておきます。










ヤカンでお湯を沸かし、沸騰したら火を止めて以下の手順に従います。

【淹れる手順】

1.フラスコに20mlの湯を入れて熱源をつける

2.ロートにコーヒー粉60gを入れる

3.90mlの蒸らし湯をかけ粉全体を濡らす

4.ロートをフラスコに斜めにさす

5.抽出湯180mlの湯を測る

6.ロートをフラスコにはめる

7.注湯する

8.熱源を止める


手順を以下に詳しく説明します。

1.フラスコに20mlの湯(初湯)を入れて熱源を点灯します。





 

2.ロートにコーヒー粉60gを入れます。

フラスコ内が沸騰しはじめるのを待って次に進みます。

3.90ml(注1)の蒸らし湯をかけ粉全体を濡らします。

ロートを少し浮かせてロート立てごと手にとり、湯をかけます(2)。湯が行き届かないところはヘラを使って粉のすべてが濡れた状態にします(3)

 

注1:蒸らし湯の量(粉10gあたり15ml)はコーヒー粉がまんべんなく濡れてしかもロートの下に漏れない目安です。コーヒーの種類や焙煎度、粉砕の度合いにもより多少の違いが出る可能性はありますが、少なすぎると一部の粉に湯が届かず、乾いたままの粉が残ります。多すぎるとロートの下からロート立てに漏れてしまいます。同じ粉で何度か試してその粉に適した蒸らし湯量を調べます。

注2:ロートの下の金具がロート立ての筒内部の出っ張りに当たっていると、ヘラでかき混ぜる力でロートのガラスを損傷する恐れがありますので、ロートの先を少し浮かせてロート立てと一緒に持つ、あるいはロート立てからはずして持つようにしてください。

注3:直径が大きいロートの場合は、粉全体が濡れていないにもかかわらず湯がロート立ての方にでてしまうことがあります。その場合はたとえば湯の3/4で全体を薄くぬらし、その後残りの1/4をかけるなど2度に分けてかければうまくいきます。

この間に、フラスコの中の湯は沸騰してきます。

4.ロートをフラスコに斜めにさします。

5.抽出湯180mlの湯を測ります。

フラスコの中の水蒸気が湯気となってフラスコの口から出てきます。

空焚きになっていないことを確認

初湯が少なすぎたり、ここまでの手順で時間がかかりすぎたりするとフラスコの中の初湯が蒸発してなくなってしまいます。もしフラスコの中の水が無くなっていれば失敗です。直ちに熱源を止めフラスコが冷えるのを待って最初からやり直してください。

空焚きのまま次のステップに進みますと、フラスコが割れる危険があります。

蒸らし時間の目安

目安は、手順3で最初に湯を注いでから1〜2分ですが、長く蒸らせば抽出される成分が増えるかわりに雑味成分も多くなります。良質の豆()であれば蒸らし時間を長めに、そうでない豆()の場合は蒸らし時間を短めにしてやってみてその粉に合った蒸らし時間を見つけるのがよいでしょう。

6.ロートをフラスコにはめます。

フラスコの中の水蒸気が湯気となってフラスコの口から出ているのを確認したら、

ロートをフラスコに垂直にはめ込みます。

7.注湯します。

計量した抽出湯180mlを注ぎます。

 

8.熱源を止めます。

熱源を止め、上に浮いているコーヒー粉をヘラで軽く抑えます。

まもなくフラスコが冷え、自動的に吸引が始まります。

注4:熱源を止めるとフラスコが冷え、内部に充満していた水蒸気(気体)が水滴に戻ります。フラスコ内部が真空状態になることにより、吸引が実現します。空気の収縮ではありません。

ロートから濃縮コーヒーの大部分がフラスコに落ちると、残る濃縮コーヒーと空気が一緒にフラスコに入りロートの先から気泡がでてきます。気泡が出なくなれば抽出完了です。

ロートをはずせばフラスコから濃縮コーヒーを取り出すことができます(注5)。

 

注5:気泡が出なくなってもロートがフラスコに強く吸引されてはずせない場合は、フィルターが目詰まりしていますのでヘラなどでフィルターの上のコーヒーかすをかき寄せるなどすれば空気が入って吸引力が弱まり、ロートがはずせます。

以上が6人分の粉を使って4倍濃さの濃縮コーヒーを抽出する方法です。

コーヒーは深煎りのものを使うことが前提です。中煎り豆の場合は、より細かく粉砕する、蒸らし時間を長くとるなど工夫が必要です。浅煎り豆の場合は上に述べた方法で4倍濃さに抽出するのは困難で、別途述べます二度濾しの方法で抽出します。