3.0 弾薬の種類

 古代中国において矛盾という言葉が生まれたように人間は戦争の道具をより強力にするために力を注いできました。現代の陸の戦いにおいて最強の盾と矛を備えた戦車も例外ではありません。ここでは現代の矛である銃砲の弾薬についてSP2がどのように扱っているかを書いてみます。
AP
これは"Armor Pearsing"の略で徹甲弾と訳されます。戦車などの装甲に守られた目標を破壊するために使用され、逆に歩兵などの装甲を持たないものには全く効果がありません。SP2では実際の弾の種類に関係なく運動エネルギー弾を総称してAPと呼びます。(NATO標準の105mm砲には本来の意味でのAPは用意されてません。SP2がAPとして扱っているのは実はAPDSです。同様にソ連軍の100mm以上の滑空砲はすべてAPFSDSを使用しますがAPとして扱われています)
Sabot
マニュアル中ではHVAPと表記されているものでSP2における扱いはより高性能なAPです。実際はAPDSやAPFSDS、APFSDS-DUなどですが兵器によって異なり、APとあわせてかなり大まかな区分でしかありません。
HE
これは"High Explosive"の略で榴弾と訳されます。本来は爆発して破片を撒き散らす弾のことですがSP2では小銃や火炎放射器などの装甲に守られていない目標相手(ソフトスキンと呼ばれます)に使用される弾薬すべてをさしています。一部のHE弾薬はAP値も持ちます。また対空砲の弾薬もHEとして扱われます。
HEAT
これは成形炸薬弾のことですがSP2ではHESH等も含めた化学エネルギー弾全般をさしています。実際の運用ではソフトスキン目標にも使用されることがあるのですがSP2ではAPと同様歩兵等には使用できません。対戦車ミサイルはほとんどがHEATです。

 このようにSP2では弾薬をかなり簡略化して扱っています。そのため一部におかしなことが起こることがありますがこれは本来第2次大戦を扱うSteel Panthersから発展してきたための制限です。
 

3.1 装甲貫通力

 上記の弾薬が装甲値を持つ目標に命中した場合、損害判定の前に装甲を貫通できたかを判定します。そのときに使用されるのが弾薬の貫通力です。Encyclopediaに表示される弾薬の貫通力はあくまで目標への距離0で運が非常に良いときの最大貫通力です。実際の貫通力は以下のように算出されます。(出典:CyberStratege、フランスのゲーム雑誌)
ただし、
    random(n) : 0-n間の乱数を返す関数
    PEN : 最大貫通力()
    MAX : 最大射程
    RNG : 射程
    WGT : WARHEAD
細かくは数式を見て頂くとして、おおざっぱに言って射程0で最大貫通力の75%、最大射程で25%程度の貫通力が期待できると覚えておけば良いでしょう。

AP/Sabot:
    最終的な貫通力=PEN×(1+2×(MAX−RNG)÷MAX)×(1+random(100)/100)÷6+WGT

HE:
    最終的な貫通力=PEN×(1+2×(MAX−RNG)÷MAX)×(1+random(100)/100)÷6+random(WGT)

HEAT:
    random(100) < 10のとき、
        最終的な貫通力=PEN÷10
    それ以外のとき
        最終的な貫通力=random(PEN÷2)+PEN÷2
 

3.2 対戦車ミサイル

 ゲーム中の対戦車ミサイルの大きな欠点として発射ユニットが移動した場合の射撃回数と命中率の大幅な低下があります。この命中率の低下は目標選択時の命中率表示には反映されていないので、気を付けないと事前に命中率99%といった表示がされるにも関わらず、実際に攻撃を行ったときに全然命中しないという自体を招くことになります。また目標ユニットが発射ユニットを事前に見つけていた場合など、'target avoids ATGM'と表示されて対戦車ミサイルを回避することがあります。それ以外にも他のユニットがミサイルが命中する前に反撃を行い、命中率を低下させることもあります。 また注意すべき点として対戦車ミサイルには最低射程があります。これは発射直後のミサイルが低速で制御できないことの表現ですが、初期のミサイルでは意外に最低射程が長いのである程度目標との間に距離を取らないと命中率の低下を招き、最悪まったく攻撃できなくなります。
以上のことから対戦車ミサイルを有効に使用するためには
  • 中距離の目標(最低射程をクリアするため)
  • 進行方向の側面あるいは後方から(相手に発見されていない可能性が高くなる)
  • 移動していないユニットによって攻撃する(移動による修正が無い)
  • のがベストということになります。

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