ガイドブックを批評する

2001年05月27日に移転


 1999年秋からベトナム旅行のガイドブックを批評しています。あらたなガイドブックが出るたびに追記し、順にならべていました。ところが、時系列順に追記をいくつかかさねていったものが、だいぶ見にくくなってしまいました。すっきりさせたいのと整理を兼ねて、これまでの批評をここに移します。

 (検索等でさがしあてて)このページをはじめて見る方は、まず「ガイドブック レビュー」をご覧になって、それから下に書いてあることをよまれるとわかりやすいのではないかとおもいます。

 (注記)リンクが切れているところがところどころありますが、(このページのリンクは)なおしていません。


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ガイドブックを批評する――1999年10月

1999年10月06日

 『地球の歩き方』と『個人旅行』は、(比較的)やくにたつガイドブックです。ふるびてしまった情報やまちがいがすくなくないものの、旅行する人がまちがい情報をなおしつつ使うことができれば、十分参考になります。

 ダイヤモンド社の『地球の歩き方』シリーズのガイドブックは、2種類出版されています。『地球の歩き方 ベトナム』(http://www.arukikata.co.jp/gio/books/vietnam.html)と『地球の歩き方旅マニュアル ベトナム個人旅行マニュアル』(http://www.arukikata.co.jp/gio/books/man_viet.html)です。『地球の歩き方 ベトナム』の巻末にまとめられた解説記事は、専門家の手によるものがおおく、ちょっとしたよみものです。

 旺文社(というよりは、地図・ガイドブック・雑誌を扱っているマップル(http://www.mapple.co.jp/)というべきなのでしょうか)の『個人旅行 ベトナム』(http://www.mapple.co.jp/bkrv/z971204.htm)は、写真つきのホテル・カタログになっているところが画期的なアイデアでした。そろそろ改訂版をだしてほしい。

   旅行人(http://www.ryokojin.co.jp/)の手による『旅行人ノート3 メコンの国』の改訂版(http://www.ryokojin.co.jp/books/books.html)は、1999年9月13日付で発売されたガイドブックです。ベトナムのところに関していうなら、「そこそこのでき」というくらいでしょうか。くわしくは、こちらをおよみください。

 福井隆也・小林紀晴・関口左千夫『新版 ベトナム・センチメンタル+ラオス、カンボジア』情報センター出版局 1997年第2版(第1版は1995)
 おすすめしません。とくにわるいというわけではないのですが、はっきり言うと『地球の歩き方』や『個人旅行』にかなわないガイドブックだとおもいます。特徴に欠けるのです。いろいろなことは書いてあるけれども、どれもこれもで中途半端、散漫な印象をうけました。カタログに徹しきれていない。旅行情報誌にも、読みものにも、写真集にも、徹しきれていない。文章そのものも『地球の歩き方』のスタイルとあまり変わらないではないかと感じました。もっと筆者たちの主観を前面に押しだして書けばいいのに!
 ただ、名のあるカメラマンたちの手によるだけあって、写真はすばらしい。

 文春ビジュアル文庫の
勝谷誠彦編『ベトナムに行こう』文春文庫ビジュアル版 1997
は、帯で『2冊目のガイドブック』をうたっていますが、中身は紀行文集です。ヴェトナム近現代建築について10ページ強の記述があります。この文集のなかでは、一押しです。

 JTB出版事業局『るるぶ 情報版 海外25 ベトナム・アンコールワット』JTB 1998
 『るるぶ……』は、書店かなにかで見るだけにしておきましょう(『るるぶ……』のつかいかたをおしえてくださった方にはもうしわけないのですが……)。

 英語で書かれたガイドブックのできについては、Guide to Guidebooks(http://www.vietnamadventures.com/getting_there/guidebooks.html)が参考になるでしょう。個々の批評が妥当かどうかは、判断しがたいです。おおもとのガイドブックをきちんと読んでいないもので。

 Lonely Planet Guides(http://www.lonelyplanet.com/)では、Vietnam - a travel survival kit(5th edition)のほかに都市ガイドとしてHo Chi Minh city guideHanoi city guideも発行しています。


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ガイドブックを批評する――『メコンの国』の改訂版

1999年09月23日

 旅行人さん(http://www.ryokojin.co.jp/)の手による『旅行人ノート3 メコンの国』の改訂版()は、9月13日付で発売されたできたてのガイドブックです。

 ベトナムのところは読んでみました。とりあえずの講評をのべます(のちほど手なおしするかもしれません)。

 このガイドブックは、中国・ラオス・カンボジア・タイ・ビルマ(ミャンマー)のうち2つ以上の国を旅する方(とくに陸路で)にむけたものでしょう。ベトナムの記述だけをとりあげて、あれこれ批評してしまうのは、公平ではないかもしれません。

 もっとも、こういうことをいいだすと、収拾がつかなくなるかもしれません。タイの記述がバンコクとチェンマイ・チェンライ・国境近辺の街にかぎられているというのは、わからないことです。タイを旅行するためには、他のガイドブックも買ってくれということなのかしら?


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ガイドブックを批評する―2000年06月の時点で

2000年6月10日

 『地球の歩き方 ベトナム』と『個人旅行』の改訂版が今年(2000年)の4月に発売されました(『るるぶ』の今年度版も発売されていますが、とくにいうことはないので取りあげません)。ガイドブックの近況について少々述べたくおもいます。

 とはいえ、どのガイドブックも小幅な改訂にとどまっていて、構成をほとんど変えていませんから、私が言うことも同じようなものになってしまいます。

 一押しは、やはり『地球の歩き方』と『個人旅行』の2冊です。今回の改訂版にも古びてしまった情報やマチガイがすくなくないとおもわれます。私がざっと確認しただけでも、けっこうな数(←あきらかに20ヶ所くらいは)にのぼっています(きちんと確認すれば、もっと増えるでしょう)。とはいうものの、旅行する人がマチガイ情報を訂正・修正しつつ利用することができるなら、参考になるでしょう。

 『地球の歩き方旅マニュアル ベトナム個人旅行マニュアル』の改訂版は出版されないのでしょうか。改訂版が出ないかぎり、こちらの方はおすすめできません。

 今回の改訂で変わっていたことを記します。

 『地球の歩き方』について

 『個人旅行』について。

 この2冊を見くらべて一番気になったことは、サイゴン(ホーチミン市)のホテルの値段のちがいでした(たとえば、ニューワールドを見てみましょう)。私が知っている範囲でいいますと、『個人旅行』に書いてある料金の方がほぼ妥当な金額で、『地球の歩き方』の料金は高過ぎるところがずいぶんと数多くあります。

 『地球の歩き方』も『個人旅行』も、どのような意図で掲載する都市の順番を決めているのか、理解にくるしみます。むろん、説明はありません。ベトナムをはじめて旅行する人に対しても、何回目かの人に対しても、あまり配慮がされていないように見受けます。ホーチミン市・ハノイときてその後は、かなり恣意的にならべているようです。わかりにくくてこまります。今回の改訂版でも変更がなかったことが、二番目に気になったことでした。

 付記

 リンク先が変更されています。
 『地球の歩き方 ガイドブック・シリーズ(93)ベトナム』地球の歩き方 旅マニュアル・シリーズ(271)ベトナム個人旅行マニュアル』のページ。


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ガイドブックを批評する――『地球の歩き方旅マニュアル ベトナム個人旅行マニュアル』の改訂版

2000年07月30日

 6月10日付で

 『地球の歩き方旅マニュアル ベトナム個人旅行マニュアル』の改訂版は出版されないのでしょうか。改訂版が出ないかぎり、こちらの方はおすすめできません。
と書きましたが、第2版が6月30日に出版されました。

 基本的な構成におおきな変更はありません。

 はじめの方では、パスポートの取得の方法から航空券の買い方・海外旅行傷害保険のことまで書かれていて、親切なことだとおもいました。そのほかに、両替・交通・ホテルオプショナルツアー・食事・レストラン・トラブル対策・生活情報などが記されています。第1版とおなじく、ベトナム国内のツアー情報は充実しています(国境付近の情報もまあまあ)。ショッピングでは雑貨がおおきく取りあげられています。

 ビザに関しては、第1版よりマシになったとはいえ、あいかわらずひどくわかりにくいうえに、まちがえている可能性がたかいです(ただし、大ポカは修正されているので実害はないでしょう)。

 書籍の紹介(312ページから314ページまで)はわるくない選択がされているとおもいますが、『地球の歩き方』と同様に、「坪井義明」や「本田勝一」という人名のミスがあります(それぞれ「坪井善明」と「本多勝一」がただしい)。

 p60の欄外には、つぎに引用するようなことが書かれています。

 編集部へ送られてくるベトナム旅行に関する読者の投稿は、ホテルに関してが約30%、レストラン、ショッピング、トラブルに関してがそれぞれ20%ずつ、その他が10%という割合で届いている。この数字から考えられることは、海外旅行の印象の善し悪しは、どんな目的の旅行であっても、やはり寝る場所の印象に大きく左右されるということだ。旅行中はついつい面倒くさいから、時間がないからといって安易にホテル選びをしがちだ。楽しい思い出のためにも、ホテル選びは慎重に行おう。

 この文章によりますと、(『地球の歩き方』)編集部は、ベトナム旅行に関する読者の投稿(だけ)から、海外旅行の印象の善し悪しは寝る場所の印象におおきく左右される、という一般化をしています。ベトナム旅行についての読者の投稿(だけ)からこんなに大胆なことを言ってしまっていいものだろうか、と私は疑問をもちます。しかし、後半のアドバイスはそれなりに適切で、善意にもとづいているものであろう、と感じました。

 さて、ホテル選びの大切さを説かれているこのガイドブックで、具体的にどのようなホテルが紹介されているのでしょうか。「ベストホテル」と題して179〜183ページに紹介されている13のホテルは、(超)高級ホテルにかたよっています。「リゾートで極楽気分」という表題のついた258〜267ページで紹介されているホテルも高級ホテルばかりです。それらのホテルのなかには、率直にいってあまり評判がよくないところもあるのです。ついでに言いますと、(『地球の歩き方』とおなじく、)高過ぎるであろう料金がすくなからず記載されていることも気になります。

 ベトナムにおいては、高級ホテルが高級ホテルの名と宿泊費にふさわしい実質をもっているかどうかは、ややうたがわしい(ところもある)、とおもわれます。行ってじっさいにサービスを受けてみないとよくわからないことが多々あるのが、現状です。こういうことをガイドブックの作製者たちは(すくなくとも、私よりは)知りぬいているはずです。にもかかわらず、高級ホテルだけを取りあげているのは、いったいどうしてなのでしょうか。

 結論をもうします。『地球の歩き方旅マニュアル ベトナム個人旅行マニュアル』の改訂版は、「買うまでもないガイドブック」くらいが適当な評価であろうと判断します。

 せっかく出版された改訂版をこういうふうに評価するしかないのは、(私にとっても)残念なことであります。

 最後に、ちょっとだけいいところを。
 バンメトートと野鳥生息地を取り上げているのは、ポイントがたかい(個人的に評価したい)です。  


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ガイドブックを批評する――『ワールドガイド ベトナム・アンコールワット '00〜'01』

2000年09月25日

 さらにあらたなガイドブックが出版されています。

JTB出版事業局第六部編『ワールドガイド ベトナム・アンコールワット '00〜'01』JTB出版局 2000年
です。2000年8月1日付けで発行されました。

 気づいたことを箇条書きします。 

は、「センスがいいな」と感じました。

 後発だけあって、『地球の歩き方』と『個人旅行』の両方を十分に参考にされたようです。工夫がしてあって、見やすいと思います。

 メジャーでないところへ行くつもりがある方にはオススメできませんが、サイゴン(ホーチミン市)・ハノイ・フエの3都市のうちどれか+αくらいのご予定の方には向いています。

 掲載されている都市の数が少ないということは、旅慣れた人はご不満でしょう。しかし、ベトナムのことをほとんど知らない人、または、時間の余裕のない方・旅慣れていない方にとってみれば、余分な情報が書いていないことで混乱しないで済むので、かえっていいかもしれません。

『ベトナム・アンコールワット'00〜'01』


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