4.4 航空機 − 戦場の猛禽たち(及びそれを狩るもの)

 一応こういった項目を設けましたが実は航空機って固定翼のもの(いわゆる飛行機)は事実上自己誘導能力を持った砲兵にすぎませんし、ヘリコプターは歩兵の空中機動に使用される場合はAPCと同じですし、ガンシップとして機関銃や対戦車ミサイルを使用する場合は偵察車輌や対戦車車輌と変わりません。従って運用方法に関しては歩兵の項と装甲車輌の項を参照してください。ここでは航空機に固有の話とそれに対抗する対空兵器の話をします。

4.4.1 固定翼機

 固定翼機はその装備によってミサイル機、爆撃機、ロケット・銃撃機に分けられます。また装備を使っていくにつれてこれらの分類の間を移動することも同時に複数の性格を持つこともあります。航空機はVisibilityが大きいほど、目標が開けた地形や目立つ丘の上にいるほど効果的です。(ワンポイント参照)敵味方が混在していると誤爆することもあるのである程度後方を目標とした方が良いでしょう。
 
ミサイル機:
AGM-65等の対戦車ミサイルやAGM-88 HARMといった対レーダーミサイルを装備した航空機たちです。Pavewayといった名前で登場するレーザー誘導爆弾も対戦車ミサイル類と同様に扱われています。同時に爆弾などを積んでいることもあり、その場合ミサイル発射後は爆撃機となります。いずれのミサイルも航空機がマップ外にあるうちに発射されるのでパトリオットのような長距離対空ミサイルによる攻撃を受けないというメリットがあります。また命中率も高いのである程度の確実性があります。特に対レーダーミサイルは対空砲火の制圧に絶大な効果があります。対戦車ミサイルはHEまたはHEAT扱いなので意外と効果が安定しないのが困り者ですが、誘導爆弾は弾頭重量が大きいせいかかなりの破壊力を持ちます。F-15Eのように1ヘクスに2発ずつ落とされる誘導爆弾は目標がなにであれ、ほぼ確実に息の根を止めてくれます。
爆撃機:
爆弾を装備している航空機です。誘導爆弾同様かなり高い破壊力を持ちますが命中率があまり良くないので効果には結構なばらつきが出ます。1機当たりの搭載量が比較的大きく手数が多いのが嬉しいところです。道路上などで目標が直線に並んでいる上を通過できると相当のダメージを与えることができます。コストパフォーマンスは恐らく一番ですが目標の真上を通過しなくてはならないため目標の対空兵器が充実している場合は爆撃を行う前に撃墜されることがあります。そのような場合は対レーダーミサイルを装備したワイルドウィーゼル機を先に攻撃させます。
ロケット・銃撃機:
はっきり言ってあまり当てになりません。(^^; 開けた地形にいる歩兵部隊ならともかく装甲車輌に損害を与えることができればかなり運が良いと考えておけば落胆することがないでしょう。多くの航空機は機関砲を持っていてミサイルなり爆弾なりを使い切った時点で銃撃機となります。

ワンポイント:爆撃機やロケット・銃撃機は遠くから目標を発見すればするだけ命中率は良くなります。目標をいつ発見したかは航空機がマップ上に進入する際の表示で判ります。30ヘクスほど離れた地点で黒地に白で"attacking xxx"と表示されるのは指定されたヘクスに向かって進入を開始する前に目標を発見した場合で、かなりの確率で命中すると期待できます。黄色地に黒で"attacking xxx"と表示されるのは進入を始めてから目標を発見した場合で、それなりの命中率が期待できます。目標を発見できなければ指定されたヘクスを中心に適当に弾薬をばらまいてしまいます。

4.4.2 ヘリコプター

 基本的な運用は偵察車輌対戦車車輌の項を見ていただくとしてヘリコプターの最大の特徴は高度を変えられるということです。高度を上げて、丘の向こう側を覗いてはすぐ丘の影に隠れるという動作だけでいきなり丘を超えて不意打ちを受ける可能性はなくなります。ただし、高度を上げたとたんに対空兵器が攻撃してくる可能性があるのでそれなりのリスクはあります。(それはそれで敵がいるということなので警戒という目的は達成できるのですが)もし可能であれば一番安い輸送ヘリでも良いのでヘリコプターを偵察用に用意しておくことをお勧めします。
 またガンシップ以外にもロケット弾や20mmクラスの機関砲を持ったヘリコプターは運用次第で戦車などにとって固定翼航空機以上の脅威となります。一般に移動したユニットは対空射撃を行わないので注意深く移動経路を選べば敵部隊の真ん中を突っ切って目標の後のヘクスに隣接して装甲の薄い部分をロケット弾で狙い撃ちにできます。攻撃が終われば快速を生かして丘の陰に隠れて次の機会を待ちます。固定翼航空機と違って補給車輌から弾薬を補給できるのでこの攻撃は際限無く繰り返すことが可能です。
 同様の手順でロケット弾や機関砲を用いてヘリコプターを撃墜することもできます。この場合一撃で目標を撃墜できないと逃げられる可能性が高いので、攻撃を行うヘリコプターの主武装(リスト中の一番上にあるもの)が機関銃であればこれを使用しないように設定してロケット弾などの破壊力のあるもので攻撃するようにします。
 このように凶悪極まりないヘリコプターですが弱点が無いわけではありません。なにしろ空中に浮いているわけですから装甲を張り巡らすわけにもいきませんし(攻撃ヘリには空飛ぶ戦車としか呼びようの無いのもいますが (^^;)移動力があるのも善し悪しで、攻撃を受けていったんPC制御下で逃げに入るとRallyする暇も無くマップ外へ脱出していまいます。対空火器の存在が予測される地域には立ち入らない方が良いでしょう。

4.4.3 対空兵器

 対空兵器はミサイル、対空砲に大別でき、さらに自走が可能かどうかでも分類可能です。SP2では一般の車輌や歩兵ユニットがそれほど対空射撃を行わないので(さらに行ってもほとんど効果が無いので)対空兵器の準備を忘れた時の敵航空ユニットは悪夢のような存在になります。
 自走が可能なものはAdvance/Assaultをプレイする際には主力のすぐ後を付いていくことができるので(車輌の種類にもよりますが)運用は多少楽ですが自分自身の装甲はほとんどなきに等しいので敵地上部隊の視界内に入らない注意が必要です。また移動したターンはほとんど対空攻撃を行えないので(特にミサイル車輌)交互移動を心がけて、せっかくの対空部隊が肝心のときに撃てないことが無いようにする必要があります。
 自走できないユニットはDelay/Defend時はともかくAdvance/Assaultでは必然的に後方に配置して盤上砲兵を守ったりするぐらいしか出番はありません。もちろん射程が長ければ後方からでも主力部隊の上空を守ることはできますが、だからといってあまり見晴らしの良いところに配置すると良い的になります。
 ミサイルは携帯ミサイルからパトリオットのようにゲームのスケール的には大きすぎるようなSAMまでが網羅されてます。能力はそれぞれですがInf SAMユニットが持っている携帯SAMに過度の期待をしない方が良いでしょう。また車輌に搭載されたSAMでもミサイル自体は同じ携帯ミサイルを使用しているものが結構あります。(AvengerやLinebacker)これもあまり当てにはできません。もっともヘリコプターはSAMによる攻撃を受けると効果に関わらず自動的に回避行動を取るのでマップの端に位置したヘリコプターをマップ外に追い出して無力化しまうことは充分可能です。パトリオット等の大型の据え置き型のSAMはそれなりの防空能力を期待できます。いずれの場合もユニット当たりの弾数が少ないので効果的に運用しようとすると補給車輌を手近に用意しておく必要があります。またミサイル以外の攻撃手段を持たないユニットが多く、歩兵に接近されただけで手も足も出なくなるので可能であれば護衛役を用意した方が良いでしょう。
 対空砲は射程はミサイルに比べると短めですが弾数も比較的あり、地上目標も攻撃できるので融通がききます。ZSU-23-4やGepardに代表される自走対空砲は敵の戦車部隊が片付いた後の掃討戦にはもってこいです。一方据え置き型の対空砲は安いのが取り柄ですので大型対空ミサイルの周辺などに配置して二段構えの防衛線を構築するのに便利です。ただし、いずれの場合もレーダーを搭載していないユニットの命中率はさして高くないので撃墜は期待できません、嫌がらせ程度です。またこれを対空砲と呼んでいいのかは迷いますが、70年代に入ってくると戦車のStabiliserの値が大きくなって戦車砲をヘリコプター相手に使えるようになってきます。特に第3世代と呼ばれるLeopard 2,M1、Challengerといった戦車は戦車砲自身の性能やFire Controlの性能が良いため思いのほか使えます。歩兵部隊のライフルや車輌に搭載されている対空機関銃類はヘリコプターを追い散らす程度しか期待してはいけません。固定翼航空機に対しては全く無力です。
 ヘリコプター自身の対空兵器としての使用についてはヘリコプターの項目を参照してください。

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