2000年05月10日
2000年05月20日修正
書き手と読み手の双方を視野に入れつつ、『深夜特急』という本をかんがえ論じたい、とおもいます。取りあげる方法はかんたんです。書く側の視点・書かれたもの(本)・読む側の視点に切りわけて、書かれていることや話されていることを、できるだけ具体的に丁寧にみていくことです。
ややくわしく述べてみましょう。
しかしながら、沢木氏が書いていることや話していることなどを丁寧に追っていくことで、書き手の立場にかぎりなくちかづくことは可能でしょう。すくなくとも現時点においては、そうかんがえています。
ハードカバー・文庫ともども新潮社から販売されています。(新刊本をあつかうほとんどの)本屋にあります。古本屋にもあるかもしれません。図書館に置いてある可能性もたかい。
よほど本が手に入りにくい地域にお住まいの人(このページを読んでくれる方のなかで該当するという方、いますでしょうか?)以外は、さほど問題はないでしょう。
もうしわけありませんが、(まだお読みでない人は)読んでください。分量がずいぶんとおおいので、負担に感じるかもしれませんが。
ぜんぜん読まなくてもついていけるように、内容をくわしく紹介することもできないわけではないです。ですが、じっさいするとなると、とてもめんどうくさい。『「深夜特急」論』という本でも出さないかぎり、するつもりはありません。
ただし、読んだとしても忘れてしまうこともありますし、おおまかに流れがわかっていればついていけるよう、最低限(以上の?)の配慮はするつもりでいます。
「読まずに批判する」というやり方がありうることは知っています。ですが、よほどの人が自分の責任を賭けて請け負わないかぎり、そうでなければ、よほどの偶然でもないかぎり、生産性がまったくない(もしくは、まったくと言っていいほどない)低レベルな議論におちいりがちです。私はしたくありません。
つまり、このページを見てくれた未知の方たちや友人・知人が知らせてくれるとき、『深夜特急』が話題になった場に偶然いあわせたとき以外は、何らかの資料を発見するか、人にたずねるかというのが、第1段階になります(おそらく書かれたものにたよることが圧倒的に多くなります)。
ついで、書かれていることや話されていることを、私なりにまとめる作業が第2段階です。
それぞれの感じ方や考え方を比較するというのが第3段階になります。
すでに公開している『深夜特急』のリンク集をこの作業の一環をなすものと位置づけたいとおもいます。
『深夜特急』のばあい、この本を原作にテレビドラマがつくられました(大沢たかおさん主演のこのドラマはおおむね好評だったようです)。沢木氏以外の人の手で派生的な著作も書かれています。「テレビドラマを見て原作をはじめて知った」という声や『僕たちの「深夜特急」』を『深夜特急』とおなじページで取りあげているところもあります。相互におおきな影響をあたえあっているとおもわれます。
よって、『深夜特急』にかぎっていえば、
以上の4点を主たる手がかりとして、かんがえ感じ論じることにします。
2000年05月20日の時点で
『深夜特急』は単行本版で3冊、文庫本版で6冊に分冊されています。
『深夜特急』の単行本版(ハードカバー版)は、
『深夜特急』の文庫本版は、
単行本と文庫本をくらべて、内容面でもっともおおきくちがうところは、文庫本には巻末に対談がついていることではないでしょうか。これらの対談は『貧乏だけど贅沢』(1999年発行)にも収録されています。
『深夜特急』を原作にした大沢たかおさん主演のテレビドラマは、つぎの3本です。
沢木耕太郎『「深夜特急」に乗って』 新潮社(カセット 新潮カセット ) 1998年
ここで挙げている資料リストを作成するにあたっては、goo[グー]の[目的サーチ[書籍情報]]を利用し参考しました。
第2回は『深夜特急』はどのように書かれたのか――「記憶と資料」を手がかりにです。